言葉の一意性

コミュニケーションにおける言葉の定義の重要性について触れたいと思います。

これは仕事をしているなかで普段から発生している認識の齟齬をできるだけ少なくするために必要だと思います。

ある程度の齟齬は仕方ないですが、それが社内のやり取りならまだしも社外の方とのやりとりや重要な確認の際のやり取りに起きてしまっては問題に発展します。

それを減らすための手法をいくつかあげたいと思います。

 まずコミュニケーションをするのですから、2人以上の人がいる前提となります。

それぞれを発信者と受信者としたいと思います。

この発信者受信者に対して何かしらの情報を提供する場合に対しての情報一致性を高めるための考え方です。

 

1 発信者と受信者の前提情報の差異

ある程度は仕方ないとは思いますが、双方の背景によって同じ言葉でも違った意味を持ってしまう事があります。例えばわかりやすい例でいえば、人名などがそうです。

これまで学生時代などでも勘違いしてしまったケースや場合によっては事故にあたることなどあったと思います。

漫画などでも同じような落ちを用いることもありますね。

こういった前提情報の差異を考慮する必要があり、ここは埋まるものではないと思います。

○○10,000円だった」という情報に対して、その人の背景によって高いのか安いのかは変わります。また、○○10,000円だと高いのか安いのかは、双方の○○の価値感によっても変わってしまいます。そういった意味で情報に対しての発信者は○○だと考えるというのを明確に表現する必要があります。

 

2 発信者が使う指示語の定義

1にも似ていますが、言葉の定義が曖昧なことが悲劇(とは言いすぎですが)を招くことが多いと思います。

以下はビジネス上で上司と部下の会話のなかでよくある光景です。

「あの件ですが」 ・・・どの件だよ

「それについては」・・・どれについて?

「そのように回答します」・・・どのように?

全てにおいてある程度は問題無いことが多いですが、だからと言って見過ごせるものではなくこの点において情報の一致性を100%保証するためにも明示的になるように言葉の補足をする必要があります。

口頭でのやり取りについてはある程度蜜なコミュニケーションが取れることと表情で理解度の把握することが比較的容易にできるため、発信者が意識することでコミュニケーションロスを極力減らすことができると思います。

ただ、一方でメールでのやりとりが主流になっているなかでは、誤解が生まれてしまうことが多いと思います。

ここに一意性の無い言葉の定義でコミュニケーションしている問題があると思います。

コンピュータが取り扱うプログラムで考えるとわかりやすくロジカルになると考えています。つまり言葉に対して事前に定義をするということです。

a=1

b=2

a+b

>3

というようなもので、事前にaについての定義、bについての定義がない限りabの話ができないといったものです。処理ではエラーが起きてしまいます。

誰が聞いてもその言葉に対して複数の意味を持つことがなく、処理できるような情報の定義をしてあげること、これが発信者としては重要な項目になると考えています。

 

3 受信者の理解の発信

受信者が発信者に対して自身の理解を戻す、確認するという行為が必要になります。

これはあくまでも上記2点を補助する行為であって、この際も12の定義(とくに2)を踏まえて確認する必要があります。

また、その際に発信者が利用した言葉とは別の表現を利用することで、認識の一致がしやすかったり、具体例を用いることで高まる事があります。

 

このなかでは2の要素が一番重要になってくるところで気をつけることができるところだと思います。